一期一会のラーメン＠札幌

　札幌ドームでの試合『交流戦　北海道日本ハム・ファイターズ×広島東洋カープ　６回戦　～札幌ドーム』観戦後、何気なく「ラーメンを食べに行こう」という話になった。応援しているチーム（パではハムが一番かな？　過去にもベイ選手移籍があったので）が勝った事だし、本場のラーメンを久しく食べていなかったので。福住から大通まで乗車し、後は母が何度が来ている事もあって着いて行くだけであった。

　最近はブームになっているので北海道（札幌）でも、とんこつ等コッテリ系のものもよく見かけるのだが、私が幼少の頃はそんなブームがなかった。ので、以前は北海道といえば『みそラーメン』と回答する人が多い中、私は『しおラーメン』に手を挙げていた。今でこそ関東でもしおラーメンは殆どの店があるが、当時は少なくとも私の周りでは置いている店があまりなかったので、消去法で大抵は『しょうゆラーメン』を選択するしかなかった。何か『みそラーメン』って、ただ味噌汁にラーメン入れただけじゃん、なんて幼心で思っていたので…（＾＾；）。

　なので、大人になってから『みそラーメン』を食べたら、結構ウマイ事に気付いた。みそラーメン、ごめんなさい。が、やはり一番は『しお』なんだけど。

 

　たどり着いたのが、『三条寶龍』。さんじょうほうりゅう、と読むのだろうか。店の外も中も、いかにもラーメン屋って感じ。店に入ると、ご主人と息子さんとその奥さん（かな？）の３人が元気の良い挨拶で迎えてくれた。息子さんがウチの母に気付いて、再度挨拶した。どうやら、息子さんの方は何度も母と面識があるが、ご主人とは今日が初対面だったらしい。が、母に店を紹介した人（親類）の事を話すと、「ああ！　そうだったんですかー」と、ご主人の話が弾んだ。

　メニューを見て、「しおラーメン」がある事に気付き注文を決めた。母も同じく『しお』を頼み、餃子も注文した。運ばれるのを待つ間、何気なく壁を見ると張り紙があった。そこである文字に釘付けになった。

 

　「６月２０日（月）をもって閉店させていただきます」

 

　母は私が壁を眺めているので、何を見ているのだろうと思い、同じく貼り紙を見た。「アラ～」と、とても残念そう。

 

　そこで餃子と、しおラーメンが運ばれてきた。 

 　やっぱり札幌ラーメンは『しお』だねー。具はチャーシューとねぎとメンマのみのシンプルなもの。麺は少し硬めで私には良い硬さだった。スープの味があっさりとしているので、本当に私好みの『しおラーメン』だった。幼少の頃に食べていた札幌ラーメンそのものであった。

　母はラーメンを食べつつ、ご主人と話を始めた。あえて理由は聞かなかったけど、これから夜中心の生活から環境が変わってしまう心配をおっしゃっていた。

 

　もしかしたら、昨今のラーメンブームによるあおりを食らったのではないだろうか？　と後で私は母と話した。だとしたら、なおさら残念だ。今日食べたラーメンが最初で最後だなんて。

　麺を最後まで食べたのに、スープが濁っていなかった昔ながらのラーメンがもう食べられなくなってしまうなんて…。私が最近食べたラーメンは途中でスープが濁る事があるのに、他のラーメンよりもはるかに美味しかった。もう二度と会う事が出来ない、まさに一生に一度しかない出会いの「一期一会のラーメン」であった（涙）。

 

　☆お詫び☆「閉店前にお知らせしてくれれば～！」と思われるかもしれませんが、閉店間際の混雑に輪をかけない様にと思い、あえて終了後の掲載とさせて頂きました事をどうかお許し下さいませm（_ _）m。